私の交通事故&訴訟・体験記

甲野一郎(仮名)

 林弁護士に交通事故の損害賠償請求訴訟を依頼して良かったというのが私の感想です。  私の場合、ホームページを通じて林弁護士を知ったので、それ以前は、同弁護士との面識はありませんでした。
 平成21年1月、私は仲間と千葉県館山市内に趣味のバイクのツーリングに出かけて事故に遭いました。私が交差点にさしかかったところ、進行方向の左方脇道から出てきた貨物車に衝突され、頭部外傷を負いました。
 事故後,現地の病院に救急搬送されて入院ました。入院中に高次脳機能障害と診断されたので、退院後にインターネットで高次脳機能障害の事件を専門とする弁護士を探し,林弁護士を知りました。最初に林事務所を訪問した際に、林弁護士から高次脳機能障害の専門医を御紹介頂きました。ご紹介頂いた医師に高次脳機能障害と診断され,これにもとづいた損害賠償料率算定会の認定は高次脳機能障害9級でした。
 加害者加入の任意保険会社との賠償交渉を林弁護士に委任しましたが、交渉決裂したため,そのまま訴訟も林弁護士に委任しました。
 訴訟では被告(加害者)が過失相殺の抗弁(原告・被害者にも過失がある)を主張しましたが,判決では私(原告)には過失は無いと判断されました。交通事故の事件で原告(被害者)の過失がゼロというのは稀であるため,訴提起から一審判決に至る訴訟の経過は自保ジャーナル(自動車保険ジャーナル社発行)という雑誌に掲載されました。その要旨は、林弁護士がこのホームページに概略紹介されているとおりです。
 雑誌の判決文紹介という表面だけでは、判決に至る真の経過が読者には分からないとおもいます。すなわち、訴訟中の裁判官、原告、被告双方の代理人・弁護士と和解交渉の経過をある程度お知らせしないと、どうして、このような判決になったのか、真相が見えてこないと思いますので、簡単に書いてみましょう。
 この事件の争点の第一は、被告運転手に過失があるのは当然として、原告(私)にも過失があるのか、あるとしてその割合は如何ということで、いわゆる過失相殺の問題です。
 第二の争点は、高次脳機能障害の等級の問題です。
 第一審裁判官の和解案によると、
 和解段階では、過失相殺の割合は30パーセント、高次脳機能障害は実質10級相当という認定でした。和解額の提示が1300万でした。
 勿論、被告弁護士の主張は、裁判所の和解案に同調していました。
 一審裁判官が他の裁判所から転任してきて、早々、時期尚早の和解案の提示をしてしまったものと思われます。
 第一審の判決は、原告の過失相殺はゼロ、高次脳機能障害は損害賠償料率算定会の認定のとおり9級でした。結果的に、弁護費用、遅延損害金を含めた賠償金総額の認定額は32,836,032円となったのですから、何と驚いたことに、一審裁判所の和解提案額の2.52倍の賠償金が獲得出来ました。
 しかも、被告側からの東京高裁への控訴がありましたが、控訴棄却となって、この一審判決が支持されて、判決確定になりました。
 時期尚早(ハッキリ言うと、早とちり)の和解案が林弁護士のご努力で判決で訂正されたから良かったのですが、裁判所といえども無条件では信用は出来ないものです。
判決の内容については、林弁護士に自保ジャーナルの内容を紹介してもらいます。

林事務所の獲得した新裁判例紹介、第1弾として次の事件をご紹介させていただきます。

弁護士林哲郎
自保ジャーナルNo.1894号, 2013.5.23,P74-82,に掲載された東京地裁平成25年1月11日判決が甲野一郎(仮名)さんの事件です。
「力ーブミラーで接近前に右折できると進入の被告車に対し優先自動二輪車に安全確認義務があったが考慮しないと過失相殺を否認した」と見出しが出ています。

判決要旨

(1)「本件道路は幅員約7.7メートルの片道各1 車線の道路で、道路標識等による中央線(白線)が本件交差点内(同交差点内では白破線)まで連続して設けられている」道路で、一時停止道路から右折進入の被告普通貨物車と右側優先道路を直進してきた原告自動二輪車の衝突につき、「原告にも交差点進入時の安全確認義務があっだといえるが、原告自動二輪車は優先道路を通行していたから徐行義務はなく、直進する普通自動二輪車に側道から右折する自家用普通貨物自動車が衝突したという本件事故の態様、被告の過失の内容及び程度等を総合考慮すれば、本件カーブミラーの存在等を勘案してもなお、原告に過失相殺を相当とする程度の過失があったということはできない。したがって、本件事故による損害賠償額を算定する上で過失相殺は考慮しない」と認定した。

(2)高次脳機能障害につき、「原告には、MR―画像上、左前頭葉に出血性変化が認められ、今なお、脳外傷に起因する高次脳機能障害により、新しいことを覚えられない、複数の作業を同時に行えない、感情の変動が激しく、気分が変わりやすい、感情や言動をコントロールできないといった症状が時々起こるなど、障害等級9級10号に相当する後遺障害が残存し、Q会社で文具の組立てや雑用等をしているというのであるから、その労働能力喪失率を35%とするのが相当である」として、自賠責同様9級10号後遺障害を認定した。


事件及び賠償額の概要

症状固定時35歳男子会社員の原告は、交差点を自動二輪車で直進中、被告運転の普通貨物自動車が一時停止道路から右折進入してきて衝突、脳挫傷で9ヶ月入通院して、自賠責9級19号高次脳機能障害を残し、既払い金を控除して、3,542万8,572円を求めて訴えを提起した。

原告の損害 請求額 認定額
治療費 3,329,571 1,260,021
入院付添費 32,500 32,500
通院付添費 16,500 16,500
入院雑費 12,000 12,000
交通費 13,9045 118,585
休業損害 6,526,000 6,526,000
入通院謝料 1,830,200 1,8320,200
後遺症慰謝料 6,900,000 6,900,000
後遺症逸失利益 23,229,969 23,229,969
物損 49,350 43,950
小計 42,065,135 39,925,775
既払金 ▲13,616,857 ▲13,616,857
遅延損害金 3,579,504 3,527,104
弁護士費用 3,220,780 3,000,000
合計 35,428,572 32,836,032
32,836,032 ÷ 13,000,000 ≒ 2.52
    以上