裁判において後遺障害等級が併合9級から併合6級へ上がった事例

 本件被害者が最初に後遺症の等級認定を受けた当時は、損害保険料損失機構(自賠責調査事務所)の嘱託医の方々でも高次脳機能障害を知らない人が多く、高次脳機能障害についての認識がまだまだ低い時期でした。
 当事務所の「高次脳機能障害事件障害認定システム確立」でご紹介したとおり、平成12年、交通外傷に起因する高次脳機能障害について被害者の苦悩と制度の不備が、新聞各紙で報道され当時の社会問題となったのでした。この裁判中の平成13年1月に、高次脳機能障害に関する制度が整備され、現在では、高次脳機能障害については専門医で構成する自賠責保険審査会・高次脳機能障害専門部会(以下高次脳機能障害審査会という)の審査を受けることになっています。本件は正に過渡期の裁判例と思います。
 本件でも、自賠責における等級認定では、脳外傷後遺症12級というあまりにも見当違いな認定がなされたため、裁判において、

  1. 事故後の意識障害の程度報告書
  2. 専門医による脳の画像&診断書
  3. 心理・知能検査結果の提出
  4. 詳細な日常生活状況書等の提出
によって、被害者の後遺障害の立証を丁寧に行いました。その結果、高次脳機能障害については12級から7級へ、総合等級では、併合9級から併合6級へと昇級することができました。

被害者データ

後遺障害症状

 JCSV-100の状態が約8日間継続。外傷性クモ膜下出血、びまん性軸索損傷、脳梁損傷。元々IQが高い患者様でしたが、IQの低下に加え、集中力が低下していて、気が散りやすい、感情が爆発的で、ちょっとしたことで切れやすい、人混みの中へ出かけることを嫌う等の人格変化あり。

事故態様

損害賠償額

逸失利益   約3900万円
後遺症慰謝料約1000万円
入通院慰謝料約200万円
その他約200万円
小計約5300万円
 
過失相殺(2割)
 
弁護士費用約350万円
遅延損害金約2000万円

ポイント

弁護士費用